マイルの価値

【詳細検証】『1マイルの価値』と『優先すべきマイルの使い道』

人の数だけANAマイルの使い道というのは異なります。
特典航空券に変える人もいれば、飛行機に乗るタイミングを逃してしまいマイルの期限切れ前に現金化する人もいますね。

さて、『マイルの価値』という点に注目すると、その”マイルの使い道”には明らかに『得する使い方』と『もったいない使い方』があることがわかります。
つまりマイルの使い方には優先順位が存在するということです。

マイルの価値への理解を深めることが、より良いマイルの交換先を見出すことに繋がります。今回は、マイルの価値とその使い方の優先順位に重点を置いて解説していきましょう。

利用が限定されるほどポイント(マイル)の価値は高まる

ポイントの交換先

ポイントサイトで稼いだポイントは、現金にすることもできますし、マイルに換えることもできます。

現金に換えることの一番の利点は、その汎用性の高さ。
当たり前ですが、現金で買い物できるもの全てに利用することが可能です。

また、ポイントサイトやマイルからの交換先としては、Tポイントや楽天ポイントなどのポイントや、電子マネーへの交換も可能です。
コンビニやレストランなどで使用できる楽天edyやTポイントで知られる電子マネーは、高い汎用性はありますが、現金ほど広い用途はありません。
そのポイントや電子マネーにのみ対応している店やサービスに限定されてしまうからです。

それに比べて、マイルはどうでしょうか?
マイルの基本的な用途は航空券に限られます。

現金や電子マネーより圧倒的に汎用性が低いです。
だからこそ、そこにはマイルの価値を上げる航空会社の仕組みがあるのです。

現金、ポイントサイト、電子マネーなどの価値は?

ポイントサイトで貯めたポイントの交換率は、たいてい1ポイント1円です。
電子マネーの場合でもそれが適用されますが、時折”◯◯%UPキャンペーン”などのように、交換率を一時的に上げるキャンペーンが行われているときもあります。
たとえば、25%アップなら、1円に対し0.25円加算されるということになります。

他社ポイントへの交換や電子マネーへの交換などでこのようなキャンペーンが可能なのは、ポイントの利用が限定されるためです。
ポイントや電子マネーの交換先やショップなどがある程度限られているため、それを利用する顧客の確保が保証できるので、このようなキャンペーンが成り立つのです。

マイルの価値は人それぞれ

それではいよいよ1マイルの価値を考えてみましょう。
実は1マイルの価値について”ずばりこの価格!”というはっきりとした答えはありません。
ですがマイルの価値は利用する方法によっては、何倍にも高めることが可能です。

マイルの使い方は大きく2つに分けられます。

  • 航空券への交換
  • 航空券以外への交換

当たり前のようですがこの2つの使い方が”マイルの使い方”ですね。
なぜこんな当たり前のことを話すのかと言うと、マイルの価値を考える上でとても重要なことだからです。

マイルを使う際に『航空券へ交換』するのと『航空券以外へ交換』するのでは、マイルの価値に雲泥の差が生じます。

マイルの価値を高めたければ必ず航空券へ交換すべきです。

それでは、航空券へ変えた場合のマイルの価値を具体的に見ていきましょう。

東京からニューヨークへ行く場合のマイルの価値

ゴールデンウィーク期間前後の成田発ニューヨーク行き、ファーストクラスの往復航空券の値段はというと、なんと217万円もします。

ファーストクラス航空券定価
エコノミークラスやビジネスクラスとは違い、ファーストクラス航空券というものは定価しか存在しません。
キャンペーンでの割引きや、格安航空券などは一切無く、ファーストクラスに乗りたければこの価格を支払うしかありません。

このファーストクラス航空券を同じ日付、同じ時間の便のもので、マイルで手に入れようとしたら、一体何マイル必要になるのか調べてみました。
ANAのウェブサイトで検索してみたところ16万5千マイルほどで217万円分のファーストクラス航空券が入手できるとわかりました。

ファーストクラスの必要マイル数

2015年以降、マイルの交換レートが少しずつ悪くなってきましたが、計算してみるとマイルのお得感はまだまだ実感できます。
2,172,780÷165,000=13.16

この式からわかるように、ファーストクラス特典航空券に換算された1マイルの価値はなんと13.16円にもなります。

今度は同じ日時の成田発ニューヨーク行きのビジネスクラスの航空券を見てみましょう。

ビジネスクラス航空券の定価
ビジネスクラスの場合は多少価格に幅が生じますが、527,540円が最安値となります。

ビジネスクラスの必要マイル数
これに相当するマイル数は90,000マイル。
燃油サーチャージ等も計算に含んで計算してみましょう。
(527,540-31,490)÷85,000=5.83

ビジネスクラスの航空券の場合、1マイルの価値は5.83円になりました。

同様の方法でエコノミークラスの航空券も計算してみたところ、1マイルの価値は1.78円です。
この1マイルの価値に、明らかに大きな差が出ているのが分かります。

マイルを航空券に交換する場合でも、交換する航空券の種類によってマイルの価値が変動することがわかりました。
そうだとするなら、マイルの価値をできるだけ高めて利用するのが賢い使い方ですよね。
フライトルートやフライトの季節、搭乗クラスにより航空券の価格は大きく影響されます。
特典航空券を手に入れる際には、マイル価値の計算を忘れず行う事を癖づけておくと良いでしょう。

また、前もってマイルの価値を最大限に活用できる国際線のビジネス、ファーストクラスの航空券を購入すると分かっているなら、バイマイルと呼ばれるマイルの購入も有効な手段です。
1マイルはおよそ1〜3円で購入することができます。
ファーストクラス航空券に交換する場合のマイルの価値は、1マイル13円以上になるので、航空券をそのまま定価で購入するより遥かに安くすみます。

マイルで国内線普通席の航空券を購入する場合

マイルで国内線普通席の航空券を購入する場合を見てみましょう。2017年9月15日金曜日福岡空港発羽田行きと、福岡空港発新千歳行きの、それぞれのケースを考えてみます。

ANAでは、搭乗日が3シーズンに分けられてあり、どのシーズンに属するかで必要とされるマイル数も異なります。
それぞれL(ローシーズン),R(レギュラーシーズン),H(ハイシーズン)があり、出発日である2017年9月15日は、レギュラーシーズンに値します。

シーズンチャート

2017年シーズンチャート
L(ローシーズン) R(レギュラーシーズン) H(ハイシーズン)
1/5~2/28
4/1~4/28
12/1~12/22
3/1~3/15
5/8~8/9
8/22~11/30
1/1~1/4
3/16~3/31
4/29~5/7
8/10~8/21
12/23~12/31
2018年シーズンチャート
L(ローシーズン) R(レギュラーシーズン) H(ハイシーズン)
1/8~2/28
4/1~4/26
12/1~12/21
3/1~3/15
5/7~8/9
8/21~11/30
1/1~1/7
3/16~3/31
4/27~5/6
8/10~8/20
12/22~12/31
2019年シーズンチャート
L(ローシーズン) R(レギュラーシーズン) H(ハイシーズン)
1/6~2/28 3/1~3/14 1/1~1/5
3/15~3/31

必要マイルチャート

全旅程の合計区間マイル 特典航空券交換に必要なマイル数(片道)
L(ローシーズン) R(レギュラーシーズン) H(ハイシーズン)
0~600マイル 5,000 6,000 7,500
601~1600マイル 6,000 7,500 9,000
1,601~2,000マイル 7,000 9,000 10,500
2,001~4,000マイル 8,500 10,000 11,500

なお、この情報は2017年の区分をもとにしていますので、情報が異なる場合も考えられます。
2019年4月以降のシーズンチャートは2018年3月に発表されます。

ANAの公式ホームページのマイレージチャートで、それぞれの区間マイルを調べてみると、福岡から羽田では片道567(往復1,134)マイル、福岡から新千歳では片道882(往復1,764)マイルとされています。

上記の必要マイルチャートを参考に、レギュラーシーズンの片道特典航空券に交換すると、福岡から羽田なら7,500マイル、福岡から新千歳なら9,000マイル必要になるとわかります。

2017年9月15日金曜日の航空運賃を調べたところ、福岡から羽田までは12,690円~27,590円、福岡から新千歳までは37,500円ですので、これらをもとに1マイルの価値を出すと、以下のようになります。

旅程 福岡→羽田 福岡→新千歳
航空運賃 12,690円~27,590円 37,500円
必要マイル数 7,500マイル 9,000マイル
1マイルの価値 1.69~3.67円 4.16円

大抵、出発日に近くなるほど、価格の高い航空券だけが購入可能ですので、その分マイルの価値も高まって行きます。急な旅行などで、出発日の直前に航空券が必要になった場合、マイルを使って購入すると、とっても賢い選択をしたことになります。

プレミアムクラスの航空券はマイルからは購入できませんが、当日に空席があった場合には、9000円支払うことでプレミアムクラスへアップグレードすることが可能です。

マイルの価値を最大限まで高めるために

マイルの価値を高める

マイルの使い道には、特典航空券に交換する以外にも、ANA SKYコインに交換するという方法も残されています。このSKYコインへ交換しコインを使って航空券を購入することになるので、実質的には、航空券に交換するという使い道と同じと考えても問題はありません。

ANAのゴールドカードを保有している場合、一回に5万マイル以上を交換する場合には1.6倍のレートが適用されます。これは、1マイル1.6円分の価値を持つという意味です。

さぁ、これでマイルを特典航空券に交換した場合の1マイルの価値が全て出そろいました。
それではマイルの価値の高い順番に並べてみましょう。

  1. 国際線のファーストクラスで特典航空券へ交換した場合=1マイルの価値は『13.16円』
  2. 国際線のビジネスクラスで特典航空券へ交換した場合=1マイルの価値は『5.83円』
  3. 国際線のエコノミークラスで特典航空券へ交換した場合=1マイルの価値は『1.78円』
  4. 国内線の特典航空券へ交換した場合=1マイルの価値は『1.69~4.16円』
  5. ANAスカイコインへ交換した場合=1マイルの価値は『1.6円』

国内線の特典航空券に交換する場合、フライト時期や航路、予約のタイミングによっては、1マイルの価値が1,5円程にしからないこともあります。
それでは国内線の航空券をマイルで購入すると損してしまいます。
そういった場合は、一度1.6倍の交換レートを持つSKYコインに換えてから航空券を購入すると、1マイルの価値も上がるので、マイルの価値を最大化するための計算は重要です。

マイルを航空券に交換できない場合

マイルは、絶対に特典航空券へ交換すべきです。
それ以外に交換することも可能ですが、どんな手を尽くしてもそれでは、1マイルの価値が1円を超えることはありません。
特典航空券意外へ交換するのは、マイルの有効期限が近付いていて、どうしても飛行機に乗る機会がない場合だけと考えてください。

以下にあげる電子マネーなどが定番の交換先になるでしょう。

  • Edy
  •    nanaco
  •    Suica
  •    楽天ポイント
  •    Tポイント

電子マネーは汎用性の高いものなので、ほぼ現金と同じ感覚で使用できます。
どうしても現金化にこだわりたいという方は、Tポイントをジャパンネット銀行に振り込むという方法もありますが、1マイルの価値は0.85円ほどにしかなりません。
あまり賢い選択とは言えないでしょう。

マイルを有効期限切れのために無駄にしてしまうことを防ぐために、現金や電子マネーへの交換を考えている方の中で、せっかくマイルを貯めたんだからマイルとして利用したい方も多いはずです。
その場合はメトロ返しなどでマイルの有効期限を延長させる方法もあるということを覚えておいてください。

まとめ

マイルの使い道には優先すべき順位があることが理解できたかと思います。
特典航空券に交換する際には、マイルの価値がどれくらいになるのか計算を欠かさず行いましょう。
航空券以外に交換する手段は、マイルの価値を効果的に活用出来ないので、おすすめできません。

マイルは、現金や電子マネー程幅広い用途がなく、航空券への交換といった限定的な使い方しかありません。
だからこそ、マイルの価値は現金よりも何倍も高くなる可能性があるのです。

自分の旅行計画をしっかり立てて、必要なマイルの計算をしてみましょう。

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